時計の精度の表し方  

(2011年1月24日改)


 クレームをつけたいのは電波時計の精度を誇る説明である。「この時計は10万年間で1秒の遅れしかありません。」とある。これが良くない。
 まず、実際に
10万年間も動く時計などないではないか。あったとしても人間はせいぜい100年ほどしか生きられないのであるから確認のしようがない。
 この表現では技術的にも適切でない。10万年間に1秒の誤差があるとの表現では、最初の1年間で1秒遅れ、次の1年で進んで遅れを取り戻し、つまり振動的に進み遅れが出ることを許してしまう。
 何故、同じ高精度を誇る表現で、
10年間で0.1m秒しか遅れないと言わないのだろうか。人はミリ秒と言っても実感がないだろうからという理由であろう。しかし、10万年の実感を持てる人も少なかろう。   
 
同じように実感が持てないのなら、せめてその時計の寿命に近い10年程度で表現すべきである。100年で1ミリ秒と言う表現なら、人が一生使い続けても1ミリ秒しか狂わないと思えるではないか。


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