(2014年5月16日)
平面鏡を3枚組み合わせたコーナーキューブリフレクタ(CCR)はどの方角から光を当てても同じ方向に戻ってきます。CCRの一つの応用は、アポロ計画で月面に降り立った宇宙飛行士が月面にCCRを置いて来たので、地球からレーザー光線を当てて反射光の到達時間から地球と月の距離測定を行っていることがあります。
CCRを見るとどこから見ても自分の目が見えます。同じように球体の表面を鏡にすると、どこから見ても自分の眼が中央に写ります。つまり球体を写すとカメラを構えた自分自身が写り込みます。
東京都美術館の正面入り口を入ると、表面を鏡のようによく磨いたステンレス製の大きな球体が目に入ります。この作品は井上武吉が1985年に製作した「光と影」とタイトルの彫刻です。
自分が写りこまないようにこの作品を写真に撮ることは、厳密な意味では理論的に不可能でしょう。さて、下の写真はどうでしょうか。

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