(2016年1月28日)
木製のすし桶が部分的に欠けてしまって燃えないゴミとして捨てられる運命にありました。そのまま捨ててしまうのも惜しい気がしましたので、他の廃材と組み合わせて小鳥の水飲み場を作ってありました。(図-1)
図-1 小鳥の水飲み場
昨日、一昨日は冷えて朝にはかなり厚い氷が張っていました。ふと気がつくと氷の面が平らでなく一部山のように盛り上がっていました(図-2)。一昨日の朝は凍る時に風でも吹いたのだろうと思ったのですが、昨日の朝も同じように山が出来ていました。はて、風は無かった筈と理由を考えてみました。

図ー2 盛り上がった氷の表面
考えた理由は次の通りです。
水は氷になると体積が増えます。気温が冷えると水飲み場の水は表面から凍っていきます。表面が凍ってさらに内部の水も凍るためには体積が増えるために水圧が高くなります。この水圧が桶を広げるよりは氷を破る方が楽な場合は氷にひびが入り隙間ができます。内部の水はこの隙間から表面に吹き出します。吹き出した水が直ちに氷るので氷の山ができます。地下のマグマが地上に吹き出してできる富士山のような火山と同じ仕組みです。例年はそれほど冷えない地方では大寒波が来ると保温のしていない水道管が氷で破裂して断水騒ぎになります。氷の体積増加による圧力は鉄管を破るほどに大きいのです。
これを確かめるため、表面の氷を押さえてみました。するとこの氷の山の頂上から水が噴き出しました。押さえた手を氷から離したら僅かに氷が戻って空気の泡が入ってしまいました。図ー2の写真で氷の下に見える泡はこのとき入ってしまったものです。
今朝、もう一度確認するため、水を張り直して朝を迎えました。残念ながら気温があまり下がらず薄い氷が出来ていただけでした。(図-3)

図-3
薄氷
先日見たレオナルド・ダビンチ展で、ダビンチは液体が個体に変わるとどのような物質でも体積が収縮すると考えていたので氷が水に浮く理由が判らなくて頭を悩ましたという説明がありました。しかし、本当でしょうか。固化すれば体積が増えるという想像は科学者ダビンチでも難しいものだったのでしょうか。
(了)
(後記) 諏訪湖で御神渡りと呼ばれている氷結が同じ現象です。
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