(平成21年6月6日)
期待値とは「確率を重みとする重み付き平均値」を言います。この概念は重要なので念のために宝くじの例で説明しておきます。 1等100万円が1枚、2等10万円が5枚、3等1万円が10枚あって、外れ(賞金0円)が984枚の宝くじがあったとします。このくじの賞金の期待値は次のように計算されます。 1等、2等、3等、そして外れの確率は、それぞれ、1/1000、5/1000、10/1000、984/1000であるから、求める期待値は、 100万円×1/1000+10万円×5/1000+1万円×10/1000+0万円×984/1000=1600円 このようなくじが1枚1000円で売られていたなら、買ったほうが良いでしょう。しかし、残念ながら実際のくじは1枚100円でも期待値は49円ぐらいにしかなっていません。期待値より安いくじを売り出したら胴元である銀行は確実に損をしてしまいます。 期待値は英語のExpectationの訳でもありますが、英語のexpectは良い意味にも悪い意味にも使います。例えば、「嵐が来そうである」というときにもexpectを使います。 リスクは損失の期待値なのですが、日本語としては損失は覚悟するものであって期待するのはおかしいというツッコミも成立します。しかし、数学の用語としての期待値は確立している概念です。 |
戻る