(2011年1月24日改)
光の速さは秒速30万Km
である。これがどのくらいの速さであるかを説明するのに、1秒間で地球を7回り半する速さという説明がある。この説明がよくない。
地球の1周は4万Kmであるから、7回り半で30万Km
になるではないか、と思われるだろう。この例は初学者に光も人工衛星が地球の周りを回るように地球を回るのかという印象を与えかねないから良くないのだ。光は直進するということに反したイメージを与えてしまうから良くない。
地球から月までの距離が38万Km
であるから、光の速さは地球から月までを1秒強で届く速さだと言うべきだ。月までの距離の実感がない人は地球を7回り反する距離と言うのも同じように実感がない筈だ。そうであれば、光は直進するというイメージに近い方が良い。地球から月までの距離は地球を9周半する距離に相当するという説明は悪くはない。これは距離を距離で比べているから何も不都合はない。
光が直進することを習った人や、光が地球の重力で曲がるなどと思っている人はいないからいいではないかと言う人は、ある程度判った人のセリフである。初学者が最初にたまたま勘違いで間違ったイメージを持ってしまうと、意外にその後で物理学が嫌いになったりするものだ。従って、説明の良しあしは疎かにすべきでない。
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