(2014年5月6日)
下図左の版画は広重の田毎の月である。信濃とあるので信濃国姨捨山の棚田を描いたもののようである。
広重が田に移る月を見ながら山道を歩いた時の心象図である。水田に映る月は段々畑であっても同時にいくつもの水面に映ることはない。
この理由は逆に考えると判り易いだろう。もし同時にいくつもの反射が見えるとすると、昼間なら太陽も同時にいくつも見えることになって、同時に見た眼はまぶしくて潰れる。水田の各領域はそれぞれ水平であり、反射望遠鏡の鏡面のように光を一点に集めることは出来ないからである。
百聞は一見に如かず、というわけで実際に大山千枚田で写真を撮ってきたものが右の写真である。(撮影日は2009年の4月9日)
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