東京湾観音のコンクリート強度  

(2019年6月16日)


  東京湾観音は宇佐美政衡が世界平和を願って昭和36年に建てたコンクリート製の像です。

 鉄パイプで囲まれた建造時の写真もパネルにしてあります。

このパネルの下の方に概要説明があります。

現在なら、重量4,800 トンは質量4,800 トンと書くべきでしょう。また、建設に要した人の数は約12000 人とありますが、おそらく12000 人日のことでしょう。

ところがどうしても分からないのがコンクリートの強度の表示です。 240 kg/m とありますが、kg/m は現在なら密度の単位です。水の密度が1000 kg/m ですからコンクリートの密度にしては小さすぎます。

このkgはkg重のことでmは単にmの誤りでしょうか。すると2400 N/m となって強度の表示としては成立します。しかし、この値はあまりにも小さすぎるのです。

コンクリ―トの強度は簡単に言うと圧縮強度です。例えば、次のように表現されています。

観音像は超長期ですから耐久設計基準強度は36 N/mm 以上ないと建ててはいけないのです。単位をN/m に合わせますと、36,000,000 N/m 以上なければならないことになります。2400 ではあまりにも小さいではありませんか。

観音像のコンクリート強度については全く分かりませんが、力は圧力であることはよく実感できます。力は圧力×面積として定義すべきなのです。

[N] =[Pa] ×[m]

(了)


(後記)
ネットで正解を教えて頂きました。
正しくは、kg/cm^2の間違いだそうです。240kg/cm^2だとすると24N/o^2となりますから、耐久設計基準強度の標準にあたるようです。

上記で一件落着かと思ったら、土木建築に進んだ中学・高校の友人が次のように教えてくれました。

当時のコンクリートの製造技術では、240s/㎠のコンクリートはかなり無理があると思います。
そこで、コンクリートの強度ではなくて
コンクリート1㎥当たりのセメントの使用量が240sではないかと考えました。
当時のセメントは一袋50s入りでしたから、10,000袋×50s=500,000s
500,000s÷240s/㎥=2,083㎥
鉄筋コンクリートの比重を2.3としますと
2,083㎥×2.3t/㎥=4,791t≒4,800
以上で略辻褄が合う

 

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